国宝 曜変天目茶碗1ー藤田美術館所蔵


「曜変天目茶碗と宇宙」

 国宝 曜変天目茶碗の一つに初めて会いに行きました。
図らずも、国宝殿堂 藤田美術館展 (4月13日から6月9日まで)於)奈良国立博物館展覧会初日(4月13日)でした。
入館後、特設された黒い壁で囲われたブースへのアプローチまで少し並び、順番に拝謁しました。
曜変天目茶碗の中に、宇宙がある、そうです。
室町時代の秘伝書「君台見左右帳記」に「地いかにもくろく、こきるり(瑠璃)、うすきるりのほし、ひたとあり。また、き色・白色・ごくうすきるりなどの色々まじりて、にしきのやうなるくすりもあり)とある景色が、あたかも掌中に宇宙を収めるようだ。と。
藤田美術館所蔵の曜変天目は、お茶碗の外側にも曜変の景色があるそうで、目を凝らしました。
私は、この、小ぶりで、両手の中にすっぽりと納まりそうでポスターより黒っぽく、抑えたダイクロの照明に、見る角度によってきらきらと輝く油薬の世界に、時を忘れて引き込まれ、いつまでもその場に留まりたい、衝動にかられました。
見ているうちに、この小さな茶碗の中に宇宙があり、壮大な宇宙の中に、この茶碗がある。
茶碗の中に宇宙があり、外に宇宙がある。
「入我我入(にゅうががにゅう)」ーー仏教で、仏と一体になる瞬間を、我に仏が入り、仏に我が入る、と言うそうですが、似たような不思議な感覚を得ました。
仏教の経典などの展示も多かったせいかもしれません。
茶碗の中の小さな宇宙の、一方で、人工衛星はやぶさ2が、有機物や水を多く含む天体と考えられる、C型小惑星、リュウグウに初めて着陸し、その後、人工クレーターを創る実験に成功したり、(2019年2月22日、4月5日)ブラックホールの姿を初めて映像としてとらえることに成功したり、ーー太陽65億個分の質量をもつ巨大質量ブラックホール。(2019年4月10日付け学術誌  Astrophysical Journal Letters)
地球から5500万光年の彼方、おとめ座銀河団の中心にある巨大楕円銀河M87のさらに中心にあるらしい。など、宇宙の起源や歴史をひも解く科学的な研究や実験の成功のニュースがあります。
その成功の秘訣の一助が、精緻な科学技術の探求と研究に支えられながら、粘り強い、国を超えたチームワーク、連携だと見聞きすると、最先端の宇宙探求と、中国南宋で作られ日本に渡ってきた曜変天目茶碗が見せる宇宙の精神世界にも、何かどこかに共通点があるのではないか、、という、ロマンと妄想の世界に引き込まれます。
確かなことは、どちらにもまだ解らない事が多い、と言う事です。
展覧会では、今回、8Kで撮影された鮮やかな画像も流されています。この画像を解析分析する事で、今だ解明されていない、制作の方法が、明らかにされる可能性があるそうです。
ご存知かと思いますが、曜変天目茶碗は、世界に3つしかなく、すべて日本にあります。
現在、奈良(所蔵は大阪)、滋賀MIHO MUSEUM(京都 大徳寺 龍光院所蔵)、東京(静嘉堂文庫美術館所蔵)で、これらに逢うことが出来る稀有な期間です。
続いて、東京、滋賀、とご報告したいと思います。
余談ですが、ダンディな紳士が、若くてきれいな女性グループをご案内されていました。どなたなんだろう。。
展覧会の最終コーナーの映像を見て、館長の藤田さんご本人!らしい、と、気づいた時には、ご本人は、風と共に去りぬ。 私も、お話伺いたかったです。。。(万貴子)
曜変天目茶碗(藤田美術館)